野田さん

しずむ日もながるる星もふく風も散る花も見ぬ春の空蝉               十三 野田知佑さんが亡くなった。15年ほど前に、野田さんが校長を務める川の学校のボランティアに何度か参加し、その謦咳に接する幸運に恵まれた。ただ、それきり川から遠ざかり、ご挨拶することもなく、川の学校の仲間とも、すっかり疎遠になってしまった。 みんな元気だろ…
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愛に対象はない

  あなたがたも聞いている通り、「目には目を、歯には歯を」と命じられている。しかし私は言っておく。悪人に手向かってはいけない。誰かがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。あなたの下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。誰かが一ミリオン行くように強いるなら、一緒にニミリオン行きなさい。求める者には与えなさい。あなたから借…
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劇中劇

美しき盃その造形も色艶も漆塗りの手触りも世に盃は数多あれどこの名器に及ぶものなし日射しにあてて眺めれば光、恥じて頬を赤らめ月明かりのもと掲げれば満月さえも蒼ざめる類稀なる美しさ長じて奇跡を現しむ盃に水、注ぎ入れるやたちまち酒に変じせしむるこの酒呑めば口中百花乱れるがごとし一口目には歌い出し二口目には踊り出す下戸はその香にあたるやいなや天…
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